2022年3月6日日曜日

American Accent Training 発音コーチおすすめ本!解説使い方と勉強法: No.2




アクセントトレーニング本:
アメリカアクセントの英語を身につける!


American Accent Training 発音コーチおすすめ本!解説使い方と勉強法前編の記事では、導入部分と本の概要についてご紹介しました。この記事ではさらに、1章と2章で学べる大事なポイントを紹介したいと思います。



Chapter 1


アメリカ英語の口の動かし方、What to Do with Your Mouth to Sound American 


アメリカ人はあまり唇を動かさずに、ほとんどの音を舌を使って喉から発声しています。一つ一つの音を丁寧に発音してはいません。


アメリカ英語を音楽に例えるなら、アメリカ発祥のジャズです。よく聞いてみると分かると思いますが、アメリカ人の英語には、ジャズのメロディのような音が聞こえます。例えば、Betty bought a bit of better butter.  という文章をチェロの音のようにイメージして発音するなら、ネイティブの音に近くなると説明しています。


確かに、この文章は「ドゥーダ、ドゥーダ、ドゥーダ、ドゥーダ、ドゥーダ」というジャズのスイング風のリズムになっているなと私は思いました。長い音短い音のが繰り返されているリズムです。ジャズのスイングを演奏する場合、音符の長さを楽譜通りにはしないのです。体でスイングを感じて音の長さを調整します。スペル通りに読まない英語はそれと良く似ていると思いました。


アメリカのイントネーションは音のつながりと発音の仕方に大きく影響を及ぼしています。さらにイントネーションは話し手の気分や言葉の意味を示唆します。



イントネーションはなぜ大事なのでしょうか?


アメリカ英語の特有のイントネーションを使うなら、自信がある生き生きとしたより説得力のあるものに聞こえます。イントネーションもしくは「話し言葉の持つ音楽」は、内容は聞こえなくてもどこの国の人の喋り方なのかを明らかにします。


イントネーションのない話し方は、平坦で機械的です。さらに聞き手を混乱させかねません。例えば、ここでは幾つかの言語のアクセントを使ってどんな印象を与えるかを説明しています。日本語のアクセントからは、ぶつぶつと途切れていて、機械的な雰囲気で感情のない冷たい印象を受けます。



アメリカンイントネーションですべき事、すべきでない事、American Intonation Do’s and Don’ts


  • 単語単語で区切らない
  • 音のグループでつなげる
  • 階段式のイントネーションを使う


2番目の音のグループでつなげるのが一番難しいところです。単語を一つの単位として捉えずに「音のグループ」に注目してください。音のグループは、文章がスムーズに流れるのを助けます。まるでピーナッツバターのように(ねっとりと)つながってしまうような感じです。


音のグループが川に流されて下へ降って行くような感覚が「階段式のイントネーション」です。このイントネーションがアメリカ英語の特徴であり、自信のある話し方に聞こえるのです。


発せられた言葉が階段を跳ねながら降りて行くとイメージしてください。時々、落ちていく音はジャンプしてまた高いレベルに昇りますが、また落ちていきます。アメリカ人は母音を伸ばす傾向があるので、あなたには不自然に聞こえるかもしれません。その場合は、一つの音で階段を二段分降りるように伸ばします。


例えば、「no」という単語が日本語やスペイン語訛りで言うと短く切れて聞こえますので、機械的で冷たく聞こえるのです。



イントネーションの作り方


イントネーションの仕組みとは何でしょうか?階段を降りて行く音が時々また高い場所に登る時は何が関係していますか?強勢をつけるには3つの方法があります。


  • 音量を上げる
  • 音を伸ばす

注意を引きたい単語を意味ありげに伸ばす。

  • 音程を変える

音程を変えることが一番精錬された品のある方法です。聞き手に期待感を抱かせることもできます。



ゴムバンド伸びたり縮んだり


エクササイズ1では、強勢をつけるためにゴムバンドを使って、練習する方法が紹介されています。ピッチを上げると同時にゴムバンドを伸ばしながら音読します。


私はこのゴムバンドの練習法は、英語特有のジャズ風リズム感覚をつかむのにいい方法だと思いました。確かに、英語には「伸びたり縮んだり」の感覚があります。ジャズで音符をスイングさせるように、長い音短い音が繰り返す感覚です。


もうすでに、英語に関してたくさんの知識を持っている人がアクセントトレーニングを始めると、今までの、先入観や誤解が音を正しく聞く邪魔をしてしまう事があります。この伸びたり縮んだりのリズムを聞き取る耳を訓練しましょう。



縮小した音


縮小した音とは、唇、舌、あごなどを動かさずに作る音です。イントネーションを作るために大事な役割を果たしています。これがアメリカ英語に現れる「症状」と言えます。



縮小した音は谷に落ちる 、Reduced Sounds are Valleys 


私としては、この部分にとても共鳴しました。普段から私の発音コーチングで一番大事にしているコンセプトです。この「英語の波」を体で感じることができるように訓練することを目標にしています。私のポッドキャストの名前”English Wave”もここから来ています。


アメリカンイントネーションはお山と谷でできています。お山を際立たせるためには深い谷が必要になってきます。谷には縮小された母音、特にschwaというあいまい母音があります。



スペルは当てにならない


スペリングは無視してください。正しく発音するには、スペリングより音節の位置が重要です。


例えば、photograph と photography の違いです。スペリングは似ていますが発音が変わってきます。photographはFOW-duh-graf と最初のoをはっきり発音して2番目のoを縮小します。photographyはfuh-TAH-gr-feeと最初のoとaを縮小しますが、2番目のoをはっきり発音します。


ですから、強勢とイントネーションが発音を支配しているのです。耳で本当の音を聞き取るように訓練してください。スペリングに囚われてはならないのです。



リズムの山あり谷あり


お山の上の音節には強い音があります。そこにある音は通常の発音を保ちます。しかし、谷に落ちている音節の音は弱く、縮小されています。母音によっては一番弱い音であるschwaに変わってしまうものもありますし、勢いが弱くなるだけの音もあります。音の縮小の度合いは個人差や喋り癖によります。


最初は、大げさに山を高く、谷を低くして発音練習しましょう。分からない場合は、縮小します。短くて地味な単語、(冠詞、前置詞、代名詞、接続詞、関係代名詞、助動詞など)はほとんど発音されずさらっと通り過ぎます。


イントネーションによって母音がなくなってしまうことがあるのです。強勢があれば元々の音を保ちますが、ない場合には、”uh”(schwa)に変わってしまいます。(photograph と photographyの例で分かるとおりです。)


Exercise 1-52から1-56は、a, an, to, at, it などの短い機能語をどのように発音するかが学べます。これらの単語を「縮小した音」を使って練習するなら英会話がとてもスムーズに運ぶと思います。この部分の練習もしっかり定着させましょう!



Chapter 2


音のつながり、Word Connections 



前の章でも言及しているように、アメリカ英語は単語単語を別々に捉えずに、単語と単語をつなげて発音します。そのための接着剤の役目を果たす音、つまり根底に流れるハミングのような音もしくは、低い振動のような連続音があります。それは句読点があっても止まらないこともあります。



音と空気のつながり


日本語を話す時、そのようにダラダラとつなげて話すのは失礼な話し方と思われてしまうのではないでしょうか?日本語では音をつなげずに音節ごとに区切りをつけて話すことが好まれます。ですからアメリカ英語を真似するために必要なこの連続音のような音のつながりが多くの日本人に欠けている要素であると言えます。


私はこれは息の使い方に依存していると思います。口腔内に空気圧を常に保ちながら、息を吐く量を上手に調節して、音を作る訓練をするならそれが可能になるのです。


第1章でしっかりとイントネーションを作る訓練をした後、今度は音をつなげて文章を長い単語のように発音する練習をします。単語を一つの単位として考えずに、音のグループを単位として捉えます。



音をつなげる練習エクササイズ


この章のエクササイズは、音のつなげ方に絞って詳細やテクニックを紹介しています。大きく分けて4つのルールがあります。いわゆるリエゾンの種類がいろいろわかります。


私の発音イントネーションコーチングでは、この本の順番とは逆で、まず息づかいを意識して母音子音を正確に発音できるように訓練します。その後イントネーションとリズム感をつける練習に取り組んでいます。


息の使い方だけでも音のつながりが大きく変化するので、私はまず息づかいを徹底的に練習する事をお勧めします。テクニックは大変役に立ちますが、基本はもっと大事です。息を止めずに吐きながら発音する新しい癖をつけましょう。これが頭で考えるほど簡単なことではないのです。その後にこのエクササイズをやるといいと思います。


エクササイズ2-15などをしっかり定着させるなら、英会話にすぐに使えます。反復練習と実践が大事です。



音の種類でつなぎ方が変わる


リンキングには、音が有声音であるか無声音であるかも大きく関わってきます。無声音は空気の音ですから、有声音から無声音にするには少しエネルギーを使います。有声音に続く無声音を有声にすることによって、よりスムーズにつなげることができるようになります。


例えば、tの音はしょっちゅうdになります。弱いdの音はtの音よりリラックスした音なので、つなぎ目に使いやすい音です。無声音はより多くのエネルギーを消耗しますが、有声音はよりリラックスした音です。


前置詞のtoを発音する時には、duh(dとschwa)もしくはd’と発音することを勧めています。小さな音の違いですが、この単語(to)を1日に何回くらい使うと思いますか?これだけでも多くのエネルギーが節約できますよ!



Chapter 3


3つの母音、Cat?  Caught?  Cut? 


第3章からは、いよいよ母音子音の説明に入っていきます。3章では日本語話者が混同している3つの母音(a, o, u)の説明をしています。これらの違いをしっかり練習することは必須です。


この本ではunderの”u”の音とschwaの”uh”を同じ音として扱っています。喉の同じ部分を使って出す似たような音ではありますが、schwaは特別な「縮小された」音ですので、かなり勢いが弱まった音であるということを覚えておいてください。(あいまい母音schwaについて詳しくはこちらからどうぞ。)


Exercise 3-6では、この音(u, uh)を練習するために、歯を食いしばって文章を音読するように指導しています。これはとてもいい方法だと思いました。なぜなら、他の2つの音(a, o)はあごを大きく下げないと出ない音だからです。あごや唇を動かさずに、舌と喉を使って発音練習することができます。このエクササイズは大変お勧めです。



私の感想


この本を読んでみたら、なんと私が発音コーチングに使っているコンセプトが見事に言語化されていて、感動のようなものを覚えました。ますます発音オタクの世界へとのめり込ませて、さらに研究したいと思うように動かす本でした!人間の発する言語と音声の奥深さを再認識させられます。


アメリカには、この本の著者のようなアクセントリダクションコーチがたくさんいます。彼らの仕事は英語を第二言語として話す人が母国語訛りを軽減し、聞き手が理解しやすい発音にするためのトレーニングを施すことです。それら話し言葉と発音の専門家が発信している情報は奥が深いです。この本はそんな英語発音プロの世界があることに気付かせてくれたドアのような存在でした。



発音練習は身体的な学習


この本は、視覚的な例えなどを用いて、英語学習者にも比較的分かりやすく書かれてはいると思います。しかし、本には限界があります。正直なところ身体的な動きとは体感してのみ、「分かる」ことだからです。例えるなら、バスケットボールが上手になりたい人は、本を読んで研究した後、実際の練習に真剣に取り組む必要があるのと同じです。


その際に、ちょっとした動きの誤差や歪みを指摘してもらって調整を施すなら何倍も早く進歩することでしょう。同じように、アクセントリダクション発音矯正コーチングを受けて、自分の発声の癖や目標となる音(ターゲットサウンド)とのずれを理解することには非常に大きな価値があります。



アメリカアクセントで英語発音を極めたい方へ、


英語の母音、子音、リンキングやリズムなど、

あなたの総合的な英語発音の

明瞭性を診断してみませんか?



アメリカのアクセントトレーナー/

言語療法士が実際に使っている

英語アクセント診断方法を使って


あなたの発音を診断して、

より通じやすい英語を話すために
どの音をどのように改善できるか、
リズムイントネーションをどう改善できるか

具体的なフィードバックを受けることができます。


発音診断アセスメントを受ける!



American Accent Training 発音コーチおすすめ本!解説、使い方と勉強法

  アメリカンアクセントトレーニング アメリカ人みたいな英語を話したい人のための本! アクセントトレーニングとは、英語を第二言語として話す人が英語の訛りを軽減し、聞き手が理解しやすい発音にするためのトレーニングです。アメリカンアクセントトレーニングは、アメリカ英語に特化したアクセ...

Popular Posts